みなさん、こんにちは!
今回は「暑い夏をうまく乗り切る方法」についてお話しします
暑さに弱くて夏思うように走れない人がいるのではないでしょうか?私もその1人です。笑
夏というと走り込みの季節というイメージがあり、その時期に走れないとなると心身ともにきついと思います。暑いと身体にどんな影響がでるのか、暑さへの対策、夏の練習の考え方についてお話ししたいと思います!
- 暑さに弱くて夏思うように走れない人
- 夏は走り込まないといけないと思っている人
- 志処置での練習が困難な人
暑さによる身体への影響
まず、暑熱下では持久運動の継続時間が短くなります
これは、暑さによる深部体温の過度な上昇のためです。
マラソンにおいて最もパフォーマンスを発揮できる気温は10℃~13℃となっており、気温が高いとパフォーマンスが下がることはみなさんも体感的に感じていると思います。
暑熱順化について
暑さに身体が適応することを“暑熱順化”といい、暑熱順化によって暑熱下における心拍数と深部体温を低下させることができます。つまり、深部体温の過度な上昇におけるパフォーマンスの低下を防ぐことが期待できます!
ここではその暑熱順化の方法についてお書きします。
気温:35℃以上
湿度:40~70%
時間:90~120分
運動強度:中強度(50~60%VO₂MAX)
上記が最も効果的だとされていますが、高強度(75%VO₂MAX)運動を30分行っても同様の結果が得られる報告もあります。導入として高強度はきついと思いますので日中のロングランから始めてみるといいと思います!
また入浴による暑熱順化も確認されており、40℃くらいのお湯に90分程度つかることで効果が得られるとしています。暑熱順化は発汗作用を刺激して放熱能力を高めることを目的としているためサウナも効果的です!私も夏は定期的にサウナに行って発汗量を増やすようにしています。
トレーニング後の糖質+たんぱく質で効果倍増
難しい話しは省きますが、暑熱下でのトレーニングのあとに糖質+たんぱく質の飲料を摂取することで放熱反応が改善されることが確認されています。
意識して摂取するようにしましょう!
トレーニング期間
暑熱順化を行うトレーニングをしてから3日程度から身体が反応し始め、1週間程度で効果が定常状態になるとされているので比較的すぐに効果を得ることができます。
しかし、長期間暑熱下でのトレーニングをしなかったり、極端に寒いクーラーの環境にいる場合は暑熱順化の効果が弱まってしまいますので注意してください。
夏季のトレーニングについて
発想の転換
暑さは長距離にとってマイナスに働く話しをしてきましたが、逆に考えてみてください!
練習の強度を決めるのには質や量はもちろんのこと風などの気象条件も含まれます。暑さが持久性運動のパフォーマンスを低下させるのであれば1つの練習負荷としてみることができます。つまり、暑熱下での練習は質や量を落としても涼しいときと同等の練習効果を得られることになります。
気温30℃では標高1800mのトレーニング強度と同じになる
有馬優仁さんのTwitterより
暑熱下でのトレーニングは高地や貧血と似たような状態を作れると論文もあり、暑熱下で適切な練習を積むことによって普段より高い練習効果を得ることができます!
具体的な練習メニュー
暑熱下で一度に距離を踏む>暑熱下で分けて踏む>涼しい時間帯に一度に踏む>涼しい時間帯に分けて踏む
強度はこのようになると思います。1日20km走るとして、暑さに強い人は日中に20km走、暑さに弱い人は日が昇る前と沈んだ後に10kmずつ走るといった感じです。ここで気を付けて欲しいことが暑熱下でのトレーニングはダメージが大きいということです。暑さに強い人でも時間が経ってから気分が悪くなったり、知らず知らずのうちに内蔵疲労になっていたなんてことになります。
暑い時期は涼しい時間帯でも練習効果が高くなるのでまずは継続できる練習を第一に考えましょう。暑熱下では練習効果が高いからといって、設定ペースが遅くなったり、距離が短くなってしまえば涼しい時間帯で行う練習と効果は同じになってしまいます。日中に試合がない場合は涼しい時間帯に練習することをおすすめします。
ポイント練習に関しては有馬さんも書いているように設定を落として本数をこなすことにシフトしたらいいと思います。ここでの設定タイムは人によって大きく変わってくると思うので感覚頼りな気します。
夏場の練習はシーズン中と同じ感覚・きつさで行う
- 暑さに強い人は3’05/kmのペースが同じきつさかもしれない
- 暑さに弱い人は3’15/kmのペースが同じきつさかもしれない
このようにタイム設定に関しては人によって大きく変わってくるので最初はタイムを決めずに感覚頼りでポイントして大丈夫です。
体験談による私見
最後に私の夏季トレーニングに関する考えを話したいと思います。冒頭でも述べたように私は暑さにとても弱いのですがどれくらい弱いかというと
シーズン中 | 夏季 | |
---|---|---|
1000m×10本 | 3'00/km | 3'10/km |
8000mペース走 | 3'15/km | 3'30/km |
これくらい弱いです。夏季のポイント練習も19時以降に取り組むものであり、日中になると5kmもjogできないほどになります。夏は走り込みをするのが当たり前のような風潮がありますが、私は7月と8月の月間走行距離が一年間で最も少ないです。
私の知り合いに朝の9時頃から3’30/kmで30kmできる人がいます。去年の夏は合計8回くらい取り組んでいてjogもまともにできない自分がすごく嫌になりました。実際に去年の私は20km走ですら一本も走れませんでした。
でも不思議なことに10月、11月と涼しくなると走力は均衡します。
- 人と比べない
- できる範囲で積み重ねる
- 夏だから走り込みをするわけではない
人と比べない
これは「スランプの乗り越え方」でも述べましたが暑さへの強さは人それぞれなので比べないということです。暑さに強い人は上記でも述べた暑さによるトレーニング効果が低いと考えられ、逆に弱い人はトレーニング効果が高いと考えられます。
福田さんのツイートにもあるように「暑さによるトレーニング強度と暑熱順化はトレードオフの関係」になるということです!
あれこれ考えても生理現象で仕方ないので今できることを考えていきましょう!
できる範囲で積み重ねる
重複する話しかもしれませんがこれが一番大切です。去年20km走を一回も行えなかったと言いましたが、朝と夕で分けて踏んだり、朝、夕、夜と10kmずつ走ったこともありました。他には10km走って流しを入れてまた10km走ったりと工夫次第で練習量は確保することができます。
私の場合、持ちタイムに対してあまりにも夏の練習がひどすぎるので周りからは真面目に走れと怒られることも多かったですが、走れなくて悔しいのは自分ですし、さぼっている訳ではないのは自分が一番よく知っているのでできる範囲で練習しています。
言い換えればしっかり苦しんでいればOKです!笑
夏だから走り込みをするわけではない
走り込みの有無については他の記事で書いていますが、夏に走り込みをすることが大事ではなくて、10月11月にタイムを狙うとなると7月8月に走り込みが必要になってくるということです。
日本の大会上、トラックシーズンと駅伝シーズンにわけられ、秋にタイムを狙うことが多いため夏に走り込みが行われますが、10月11月にタイムを狙わないのであれば、無理に距離を踏む必要もありません。
実際、私は大きな走り込みは毎年3月にもってきていて、7月8月は最低限の練習を積むという感じです。それでも秋にタイムを狙えますし、しっかり戦うことができます。走り込みが苦手という人は毎月コンスタントに距離を踏むのがおすすめです!
また、夏に走り込みができるようになったからといって、あまり秋・冬の走力は変らないのかなと思います。私は冬には3’30/kmで30km走を行うことができますが、仮に夏に20km走や30km走できるようになったとしてもそれは暑さに強くなっただけで総合的な走力は同じということです。暑さに強くなることに越したことはありませんが、暑くて走れないからといって思い詰める必要はありません。
まとめ
・まずは暑熱順化をする
・暑熱順化をしたうえで練習時間や強度を決める
・タイムにこだわらずに感覚を大事にする
・できる範囲でしっかり練習を積めばOK!
最後に
いかがだったでしょうか?
暑さに強い・弱いは体質的なものであり、暑熱順化の努力をしたうえで走れないのであれば仕方ありません。
練習量や質は落ちたとしてもしっかり負荷はかかっているので秋のトラックシーズン・駅伝シーズンに向けてできる範囲で積み重ねていきましょう!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
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